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昨日、観光客なのか、通りすがりの若い男の人が、織塾にトイレを借りに来ました。
周りにトイレを借りられるようなところはほとんど無く、切羽詰っていた様子。
私たちは作業場で離れた所から見かけて声を聞いていました。
(たまたま、中庭にいた先生が対応)
トイレに行ったは良いが、「すみませ~ん、 大 なんですけど~!!」 と 切ない叫びが聞こえました。
後で先生に聞くと、トイレの使い方が解らなかったらしい。
秩父織塾のトイレは、昭和の懐かしい匂い ぷんぷん。
多分、昭和30年から40年代前半位のイメージの 和式の ぼっとん式 (タイル貼り)です。
屋外トイレで、懐かしいブルーの便器の蓋もついています。
2つの個室の間に、男性小用があります。
それがまた、便器といえるようなものではなく、壁に向かい用を足すと、その下に流れていくという
かなりシンプルな作りの物。
「トイレ」 というより、 「便所」 と呼ぶのがふさわしい風情。
ある程度の年齢の人なら、子供の頃はそういうトイレしかなかったので、「へぇ~!!」と
思っても困る事は無いのですが、若い人は見た事が無いのでしょうね。
たまたま、草木染に来ていた若い女性二人に聞くと、
「私たちが幼稚園にいっていた頃は、トイレの洗面台は手を出すと水が出るようになっていた」
だそうで、時代を感じました。
今は、当然洋式で水洗。個室に入れば蓋が開き、用が済めば水が流れて蓋が閉まるという、
ソコまで人間は不精をして良いのか?というほどの親切ぶり。
他人の家でトイレを借りて流さずに出る人も時々いるとか??
人間、あまり便利だと退化しますよね。
秩父織塾は、機(はた)もそうですが、糸取り、糸繰りも人力で、木製の道具を使って出来ます。
(昭和の最新式?電力機械も揃っています)
昨日も私は木製の道具で、綛から手でぐるぐる糸を糸巻きに巻いていました。
効率的ではないけど、何だか和む、人力の作業。楽しいですよ。
Sさんが、織りあがった物を持って、見せに来てくれました。
自分で蚕を育て、繭を取り、糸をつむぎ、自分で織った第一号です。
着尺ではなく、スカーフ等にする少し巾の狭いものです。帯にも良いかな。
最初は何もわからず、色々な人から、教えてもらいながらも、手の掛かる工程を真面目に素直に一つづつ、こなして織り上げました。
養蚕だけでも大変な事。
それを、手探りのような糸紡ぎ、草木染、経糸にするために、細い絹糸を寄り合わせ、
整経、架物作り、織り。気の遠くなるような地道な作業。
Sさんの努力は、周りから見ても、感動するほどでした。
その結果がこの織物。風合いも良く、初めての作品とは思えないほどすばらしい出来。
抱きしめてしまいたくなるほど、いとおしい作品でした。
今年採った糸も見せてもらいました。
すごい! 素敵な張りと艶を持った糸です。
もっと沢山作って、ぜひ、譲ってもらって織りたいと思いました。
でも、私のスキルを上げないと、糸に申し訳ない。
秩父産の繭で、秩父で糸を作り、織物を作って、欲しい方に買っていただけるものを作りたいと、
決意を新たに。
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